インクレチン作動薬にはどんな作用があるのですか?
インクレチン作動薬は人間の体内で分泌されるインクレチンの働きを強化した薬です。インクレチンは食事をとると腸から分泌される生理的なホルモンの一種です。それでは体の中でどんな作用を持っているのでしょうか。
インクレチンの作用としては主に下の4つが知られています。
-
1. インスリン分泌の促進:
膵臓のインクレチン受容体に結合し、インスリンの分泌を促します。血糖値が高い時にインスリンが分泌されるため、低血糖のリスクが少ないのが特徴です。
-
2. グルカゴン分泌の抑制:
グルカゴンの分泌を抑制し、血糖値の上昇を抑えます。
-
3. 胃排出の遅延:
胃の動きを遅らせ、胃排出を遅らせます。これにより、食後の血糖値の上昇を抑え、食欲も抑制されます。
-
4. 中枢神経への作用:
中枢神経に作用し、満腹感を感じやすくします。これにより、食欲が抑制され、体重減少効果も期待できます。
インクレチン作動薬を使うのはなぜ?
元々体重を減少させる働きがあるインクレチンですが、体の中の量は少なく、食欲を減退させるにはその量が足りません。そこで、インクレチンの作用を強めた薬を使い、体重を減らすことができるまで食欲を減らすことを狙って投与します。上のインクレチンの作用の3と4を働かせるわけです。