70代男性、高血圧にて治療中です。今朝から38.5℃くらいの発熱があるとのことで受診です。食事は取れるし、発熱以外の症状は何もないとのことでした。
まずはインフルエンザ、コロナの検査をしましたが、陰性でした。
「インフル、コロナの検査は陰性なんですよね。食事も大丈夫なんですよね?」
「はい、ちゃんと食べられてます。」
「そうですか、そうするとただのカゼかなってことになるんですけど、何かいつもと違うところはないですか?何でもいいんです。」
「そうえば、昨夜は5回もトイレに起きた。何だろう?」
「そうなんですか。それは大ですか、それとも小?」
「小の方です。」
「それなら、尿と血液を調べてみましょう。なにか手がかりがあるかも知れません。」
院内で尿検査をすると、白血球も赤血球も沢山出ていました。血液の白血球数も多く、炎症反応も陽性で、尿路系に感染症がありそうです。
「尿があまりきれいじゃなくて、尿路感染がありそうです。急性腎盂腎炎の診断で、抗生物質の治療を始めましょう。」
「そうなんですか、お願いします。」
翌日、再度点滴治療に来ていただくと、自覚症状はよくなっていて、血液の白血球数も少なくなってきていました。急性腎盂腎炎は、重症になることも少なくないのですが、今回は初期治療が上手く行ったようです。
発熱は、体に何か合った場合の最も頼りになる指標の一つだと思います。でも、どんな病気でも発熱はからんでくる場合が多くて、ほとんどがかぜや、インフルエンザ、コロナウイルス感染が多いわけです。でも今回のように、普通よくある感染症の症状が無い場合には、重篤な病気が隠れている場合もあります。
ともかく、身体に出てくるいつもと違うサインがあれば、どんな小さな事でもいいので、教えていただきたいです。今回のように、初期にきちんと治療開始できれば、重篤な病気が悪化する前に良くなる可能性があります。

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