· 

バイアスピリンは中止しましょう


80代女性、高血圧にて治療中で、過去に脳梗塞の病歴があります。
ただ、現在はお元気で脳梗塞についてはご本人も発症時のことを含めてあまり覚えていない状態です。
排便の時に出血があり、消化器科で緊急に見ていただいてから初めての診察です。
「大変でしたね、大丈夫ですか?」
「はい、先生にすぐ手配してもらって助かりました。向こうでも本当に良くしてもらったんです。」
「うん、なによりです。大腸の憩室炎ってことなので、それほど大きな問題にはならないですよ。
本当に良かった。」
「はい。」
「向こうの先生から、血液をさらさらにする薬、バイアスピリンをどうするかって、
相談してくださいってお手紙をもらっているんですよ。」
「そうなんですね。」
「どうしましょうか?」
「うーん、私わからないかから、先生が全部決めて下さい。」
「そうですか、、、。今回はっきりとした出血があって、命には別状無かったんだけど、
輸血が必要になりました。また、脳梗塞の再発を予防するために血液さらさらにする薬を
使っているんですけど、この20年以上、何も問題なかったから、バイアスピリンは中止しましょう。」
「はい、わかりました。」
動脈硬化による血栓症を予防するために使用する薬は、どの動脈硬化疾患にとっても、
『絶対にのむべき薬』の範疇に入ってきます。
ただ、この方のように出血による重大な疾患に繋がる可能性が高い場合には、中止せざるを得ないと思います。
これはとても決断するのが難しい問題ですね。今日下した決断が、良い方向に向かってくれることを心から願っています。