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我慢しろ、ですか?


70代男性、発作性心房細動をカテーテル治療した後、高脂血症もあって通院中です。
不整脈があるようで、つらいようです。
「うん、心電図ではやはり不整脈が出ていますよ。ただ、心房細動の再発ではないようです。」
「そうかと思ってました。」
「そうですよね、心房細動ならわかりますもんね。今回の心電図は心房性期外収縮なんです。
3拍に1回くらい起こっているので、数としては多いですね。」
「そうです、苦しいです。」
「ただ、命に別状ある不整脈ではないので、安心してくださいね。なので、
なるべく薬は使いたくはないんですけど。」
「そうすると、我慢しろ、ですか?」
「うーん、でも辛いんですよね。」
「はい、とっても苦しいです。」
「わかりました。それでは期外収縮の薬をつかって様子を見てみましょう。」
「はい、お願いします。」
私が循環器医になってから、様々な治療についてのパラダイムシフトが起こりました。
その一つが不整脈治療です。
ずっと以前は、不整脈イコール悪として、単なる期外収縮も数を減らすために抗不整脈薬を
使用していました。
ただ、いまから35年以上前に発表されたCAST研究において、一度心筋梗塞を経験した人達においては、
治療しない方が優っているとの結論がでています。それ以降も、反証の研究結果はないので、
私も期外収縮は治療しないのがベストと考えています。
ただし、この方のように不整脈以外の心臓疾患がなく、なおかつ症状が強い場合には、
副作用に注意をしながら不整脈を抑えに行く治療を選択しています。