60代女性、健康診断でコレステロールが高かったとのことで受診となりました。
LDLコレステロールが162、HDL 79、中性脂肪53だったようです。
「コレステロールが高いと言われたので、それからはずいぶん気を付けているんです。
お菓子も食べないようにしています。」
「頑張ってるんですね、ところでコレステロールが高いからって感じるような身体の不調はありますか?」
「特にないんです。」
「そうですよね、でもコレステロールが高いと狭心症や心筋梗塞のリスクが高くなるので、
日本動脈硬化学会が出しているアプリで、実際のあなたのリスクを計算してみましょう。」
計算させると、10年以内に動脈硬化疾患が発症する確率が2.6%、中リスクという結果が出ました。
「どうですか、この結果を見てどう思いますか?」
「うーん、どうでしょう。」
「それでは、もし治療をしてLDLコレステロールを100にした時のリスクを計算させてみましょう。」
こんどは、1.7%、低リスクとなりました。
「この薬1%のリスクの低下が、実際に薬をのむ意味になるんですね。さあ、どうしましょうかね。」
「よくわからないです。先生ならどうしますか?」
「もし私なら、それほどリスクは高くないから、薬はのまないかな、きっと。」
「そうなんですね、私もなるべく薬はのみたくないし。どうしよう。」
「むずかしいよね、結局は自分で決めてもらわなくてはいけないんだけど、
とりあえず薬をのんで身体の不調がおきないかどうかを試してみるのがどうでしょう。
もし身体に合わないんだったら、違う方法を考えなくちゃいけないですよね。」
「はい、そうします。」
高脂血症のように、現在は症状がなくても、心臓病のリスク状態が高い状態になっている場合があります。
この方の場合は、基本的にリスクはそれほど高い状態ではなく、また家族にも心臓病の方が
いらっしゃらなかったので、投薬を始めて見て、その経過をチェックすることにしました。
高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病については、どの疾患についても現在のリスクを
かなり詳しく可視化できるようになっています。その数字を一度しっかりと確認することが大切だと思います。

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