80代女性、発作性上室性頻拍症で薬剤による予防治療をしていました。前回は薬の切れ目に発作が起こるようなので、薬を増量したところでした。
「どうですか、上手く行っていますか?」
「それがぁ。」
どうも煮え切らない答えで良く聞いてみると、薬を増量したおかげで、発作は少なくなったようですが、薬が増えたこともまた心配なようです。
「発作の薬をのむかわりに、安定剤をふやしてみたらなんともないみたいなの。どっちが良いのかわからなくて。薬を増やすと心配だし、減らした発作が起こるのは嫌でだし。」
「そうだね、でもさ、薬を増やすか増やさないか、どっちかの人生を選ばないといけないのよ。どっちもって言うのは無理なんだよ。」
「そうですねぇ。」
「これがさ、起こったらとっても危ない不整脈とか、薬はもう増やせない、減らせないとかだと選択肢はないんだけど、今回は自分は決めてもらわないとね。」
「そうですか、それでは薬を増やすことにします。」
「わかりました。」
治療法の選択って、やっぱり難しい事だと思います。患者さんによっては、できれば、医者に決めてもらえた方がよいと思っている方も、少なからずいらっしゃるように感じています。
ただ、実際にのんで効果が実感できるのは本人しかいないので、私は、できるだけご本人の感覚を大切にしようと思っています。

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