50代男性、高血圧にて治療中です。今日は定期受診のようでした。
「おはようございます。体調はどうですか?」
「すみません、ずいぶんと間隔が空いてしまいました。」
カルテを確認すると、3ヶ月ぶりの受診でした。薬は2ヶ月分しかないはずです。
「いや、私は別に困ってないんですよ。でも、あなたの身体がどうかなって思いますけど。」
「はい。」
さっそく血圧を測ってみると、134/74と全く問題ない値になってました。
「血圧は全然大丈夫ですね。最後に薬をのんだのはいつになりますか?ひょっとしたら薬は減らした方が良いかもしれないですよ。」
「はい、余った薬があったので、毎日きちんとのんでいました。血圧も測っていて、大丈夫でした。」
「そうなんですね、それなら何も問題ありませんね。」
「そうですか、よかったです。」
血圧の治療の最終的な目標は、血管が障害されることによって起こる、脳梗塞、脳出血、大動脈瘤、心筋梗塞、心不全、腎機能障害を予防することにあります。そのためには、血圧をきちんとコントロールして、血管にかかる負荷を適正にしておくことが必要です。その手段として、薬物治療が最も有効だと思います。
きちんと受診していただくことも大切な要素ですが、きちんと受診しても血圧のコントロールが不十分な場合は、血圧の治療はうまくいっていないことになります。
日本全体の血圧治療をみると、残念なことに血圧治療をしていても40%近くの患者さんが、不十分な血圧のままのようです。
今回の方は、受診できずに来院期間が延びてしまってはいましたが、ご自宅の血圧がきちんと下がっていましたので、特に問題なことは起こっていなかったようです。
残念な事実ですが、受診期間が延びてしまい、その間に大きな疾患を発症してしまったことは、それほど珍しいことではありません。くれぐれも油断しないようにしてください。

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