40代男性、高血圧で治療中です。今日は過去2ヶ月間の血圧データをきれいにグラフにしてプリントアウトしての受診です。それを見ると、血圧は低めになっているようです。
「きれいなグラフですね、ありがとうございます。こうすると、血圧の動きがよくわかりますよね。」
「はい。」
「それを見ると、血圧は高いときでも120以下、低いときには100ぐらいのようですね。」
「はい、そうなってました。」
「困ったこと、特に立ちくらみは起こってないですか?」
「はい、別に問題ないです。」
「それは良かった。理屈で考えると、血圧は低い方が血管にかかる負荷がへるので、血管が長持ちしますよね。」
「はい、そうかもしれません。」
「実際に、臨床研究で上の血圧を140にする場合と120にする場合の比較をしたものがあります。それによると、120にした方が、脳梗塞や腎不全などの嫌なことが起こりにくいことがわかっています。」
「そうなんですね。」
「ですが、その差はそれほど大きくなくて、60人治療して、一人の余計な病気を防げる程度なんです。言い換えれば、59人はどちらの治療をしても同じなんです。」
「そうなんですか。」
「なので、血圧は120まで下げれば十分なんですよ。」
「はい。」
「さらに、120まで下げた方は、立ちくらみなどの余計な症状が増えてきてしまっています。あなたの場合にはそれが無いのですが、臨床研究的には、120以下にしてメリットがある結果はないし、もう少し降圧薬を減らした方が良いと思いますよ。」
「わかりました、お願いします。」
血圧の治療はとても進歩していて、どの程度まで下げるか、自由に決めることが出来る時代になっています。
私としては、120まで下げて立ちくらみが起こるのも嫌ですし、140未満を目標とすることをおすすめしています。

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