70代女性、狭心症と高血圧で通院中です。
今日もお元気で診察も終わりになって、
「何か他にご相談なさりたいことはありますか?」
「そういえば、ときどきあおたんができるんです。」
「そうですか、どこにできるんでしょう?」
「この辺りが多いんです。ぶつけた覚えもないのに、結構広がっていることがあります。」
みてみると、前腕、手首の少し上あたりにできることが多いようです。
「なるほど、そういう話はよく聞くんですよ。あなたには、狭心症のために血液をサラサラにする薬をのんでもらってます。その薬の影響で、少し衝撃を受けただけで、内出血してしまうことがあるんですね。」
「そうなんですか、でもぶつけた覚えはないんです。」
「なるほど、でもその辺りは手を動かした時によく物とぶつかるところでもあるんですよ。なので心配ないことが多いです。もし、お腹とか、太ももの内側とかぶつけようのないところにそのような内出血ができたら、それはすぐに教えてくださいね。」
「そういうことはありません。」
「そもそも、血液をサラサラにしているのは、心臓の周りの血管、冠動脈に動脈硬化があったからなんですね。動脈硬化があった血管に対しては、血をサラサラにする薬が、絶対に必要だということになっています。そうした方が、大きな発作を予防できるんですね。でも、その代わりに小さな内出血を起こすことがあるんです。それは仕方ないと考えるんです。」
「なるほど、わかりました。」
血をサラサラにする薬(抗血小板薬といいます)は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞をおこしたことのあるの方にとって、とても大切な薬になります。ただ、皮膚の内出血を起こしやすくなったり、薬剤の種類によっては胃潰瘍を起こしやすくなることもあります。
ただ、心臓や脳はとても大切な臓器なので、その副作用をうまくかわしながら薬を続けることが大切になります。
時々内出血は起こすので、その時の見た目は良くないのですが、そこは我慢していただくことが必要です。
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