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よかったな!


12歳男子、8月の初旬に部活動のときに軽い熱中症になり、水分補給をするように話して帰宅してもらった後の、2回目の受診でした。
今日は以後、今ひとつ調子が悪くてということでの来院です。様子を聞くと、8月の熱中症の後に回復したが、夏休み明けに調子が悪くなり、学校に行けない日もあるとのこと。また、学校の保健室で血圧を測ってもらったら上の血圧が80くらいだったそう。食欲や体重には大きな変化はないようです。
「そうなんだ、明らかに普通じゃないのは保健室で血圧を測った時に、上の血圧が80だったことだな。それは低いね。」
「はい。」
「血圧って、血管の中をどれくらいの勢いで血が流れているかっていうことだから、低い方が血管にかかる力が弱いから、血管が長持ちして長生きするんだ。」
「そうなんですね。」
「だから、低くても普通治療は必要ないんだけど、低くて、血の循環がたりないような症状がある場合には、血圧を上げる薬をのんでもらうんだ。」
「そうなんですね。」
「なので、まずはその薬をのんでみることにしよう。でも、病気が隠れていたら困るから、採血でチェックはしてみるね。」
「はい、わかりました。」
週明けに結果を聞きに再度来院、採血結果は問題なさそうです。
診察室に入ってくるなり、
「元気になりました!!」
「おう、よかったな!」
特に若年者の低血圧は、重大な疾患が隠れている可能性が低く、その意味では治療の必要性は低いと考えられています。
ただ、低血圧により必要な活力が奪われている場合には、昇圧する薬が非常に有効だと考えています。
午前中もパフォーマンスがあまりに良くない場合には、朝の血圧のチェックで改善の糸口がつかめるかもしれません。