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何が悪いかわかりませんでした


先日集計が済んだ今年の糖尿病患者さんの治療成績、このブログでもお知らせしましたが、さらに色々と分析をしてみました。
まずは、8%以上のコントロールが良くない人に特徴的な要素は何か。
それと、7%以下の目標をきちんと達成できている人の特徴的な要素は何か。
対象を二つに分けて、それぞれの要素の違いを調べる、一番基本的な統計的検討の方法です。
要素として、年齢、性別、BMI、どんな薬を使っているか、それぞれの薬ごとの検討をしてみました(と言っても生成AIにやらせると、あっという間にできてしまう)。
ここで良い要素、悪い要素がわかればそこを重点的に改善できます。
その結果は、驚くべきことに、良い群と悪い群の比較では、治療の要素、肥満などの患者さんの属性のいずれもで、全く差が見つかりませんでした。簡単に治療成績改善に結びつけるのは難しそうです。
結局、全体としてみると、そもそもそれほど悪い結果ではないことが大きいと思いました。私としては、効果が高いと手応え感じているインクレチン関連作動薬で違いが出なかったのは、少し意外に感じました。まだ、処方数が少ない、処方開始されてからまもない人も多いなどの要素が入っているかもしれないですね。
また、今回の検討項目にはない要素、例えば甘い飲み物をのんでいるかとか、薬はどれくらいちゃんとのめているかなどの要素を含めることができれば、また違った結果が出たかもしれないです。
糖尿病患者さん、特にコントロールが今ひとつの方を見ていると、「やっぱり心がけ、やる気が大切だよね」と思うことが多くあります。そういう要素を拾ううまい方法があれば、もっと違う結果が見えてくるかもしれません。そして、医師としてはどうしたらやる気を持って取り組んでもらえるかが、やっぱり大きな課題と感じます。