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治療にちゃんと反応しているね


60代男性、高血圧で治療中でした。昨日から39℃の熱が続くということでの来院です。風邪症状はほとんどなかったのですが、60歳代で39℃の熱は普通ではありません。まずはコロナ・インフルエンザの検査をして陰性でした。
「コロナでもインフルでもなさそうなのよ。他に症状はないの?」
「いえ、時々咳が出るくらいです。」
「ご飯は食べられるの?」
「はい、大丈夫です。」
「でもやっぱり気になるから、レントゲン写真で肺の状態を見てみましょう。」
レントゲン写真を見ると、右側の肺の下の方に、うっすらと白い影があり、肺炎の診断で、抗菌薬(抗生物質)の点滴、内服治療を開始しました。
次の日
「どうですか?」
「はい、熱は37℃まで下がってきました。」
「うん、よかった。治療にちゃんと反応しているから、診断も間違ってないね。治療をよくなるまで続けましょう。」
レントゲン写真で、いくら肺炎の像があっても、治療してちゃんと反応しないと意味がありません。ひょっとして、違うところに違う病気が潜んでいる「可能性」だってあるわけですから。今回の症例は、比較的早めに治療が開始できて、快方に向かい、とってもよかったと思います。
この方は65歳の時に、公費で肺炎球菌ワクチンを打っていました。この方のように肺炎球菌ワクチンを打っていて、入院せずに肺炎治療が完結した人を何人も経験しています。
肺炎球菌ワクチン接種はは強くお勧めしたいです。