50代女性、胸が押されるような感じがあるとのことで受診です。
「いつ頃からになるの?」
「1週間くらい前からです。」
「どんな時になるのかな?」
「清掃の仕事をしている時です。」
「仕事を休まないと治らないのかい?」
「いや、仕事をしているうちにいつの間にか治っていますね。」
「そうか、そうなると心臓の病気とは考えにくくなるね。心臓は車で言えばエンジンになるから、不調になったら止まらないと良くならないのよ。」
「そうなんですね、でも心配だから、心電図と胸部写真を撮ってほしくて。」
「おお、そうだね。まずそれを撮って調べてみよう。」
ちょうど1年前に撮った心電図と胸部写真があり、それと比べても全く変化がないようでした。
「心臓は大丈夫そうだよ。そうなると、掃除の姿勢の影響じゃないかな。胃液が逆流して起こる逆流性食道炎の薬をのんでみてはどうでしょう。それでもあんまり変わらなかったら、もう一度考えてみましょう。」
「はい、そうすることにします。」
心臓の疾患は典型的な起こり方をすることが多いので、しっかりお話を聞けば、95%以上の確率で心臓病であるかどうかがわかると思いますし、またそのようにわかるような聞き方をしなくてはいけないと思います。ただ、やっぱりそれだけに頼るのは危険なので、まず安全第一にチェックする必要があると考えています。
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