50代女性、不整脈で初診でした。
「どんな感じなの?」
「ええと、脈が遅れる感じなんです。5.6年前から症状があるんですが、最近はひどくなってきていて。」
「それで、日常生活に何かできなくなってきていることはあるのかい?」
「それはないです。」
期外収縮の時によくある症状で、普通は抜けると表現する方が多いです。
患者さんには期外収縮の心電図を見てもらいながらの説明です。
「そうなんだね、それは期外収縮っていうのよ。実は脈が抜けているんじゃなくて、早いタイミングで一回動いているのよ。」
「そうなんですか。」
「心臓は弓矢で矢を射る感じなんだ。タイミングが早いと、引き絞れないから血液が少ししか出ない。でもちゃんと動いているんだよ。このタイプの不整脈はどんなに数が増えても心配はないんだよ。でも、何か心臓に病気があったらこまるから、一応簡単な検査をしてみよう。」
「はい、わかりました。」
胸部写真と心電図をみても何も問題はないようです。
「うん、やっぱり大丈夫そうだね。心配だったら24時間心電図をチェックする検査をしてみようか?」
「はい、心配なのでそうします。」
「あと、何か気になることはないかな。」
「その時に、脈が大きく打つような感じもして、それが気になります。」
「そうだったんだね。それは、不整脈の時には矢を途中で離しちゃったからあんまり血液が出なかったんだけど、次の回には時間が長くなるから思いっきり引き絞ることになるのよ。だから血液がたくさん出て、大きく打つように感じるんだと思うよ。」
「なるほど、そうだったんですね。納得しました。じゃあやっぱり検査はやめようかな。」
患者さんに取っては不必要な検査に至らずに、納得してもらえてよかったです。脈が遅れる、それが気になっていることに、もう少し早く気づけたかもしれないですが、まあコミュニケーションは取れていたので良かったとしました。
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