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LDLコレステロールが174ありました


32歳女性、初診の患者さんです。健康診断でLDLコレステロールが174あったとの事で受診となりました。
「そうなんですね、コレステロールが高いことで何か症状がありますか?」
「特にありません。ただ、家族性のようで母も高くて薬をのんでいます。」
「そうなのね、お母様は心臓は大丈夫なの?」
「はい、特に問題はないです。」
「そうなのね、それじゃあまず、日本動脈硬化学会が出しているアプリ『これりすくん』で、動脈硬化が発症する確率を出してみよう。」
まず、アプリで計算できる年齢は40歳なので40歳と仮定して、「喫煙なし」、「高血圧なし」、「糖尿病なし」「LDLコレステロール174」を入力すると、10年以内に動脈硬化性病変を発症する確率は1%以下、「低リスク」の区分になりました。
「この数字を見てどう思う?」
「そうですね、ずいぶんとリスクは低いんですね。」
「そうなんだよ、日本人女性でリスクファクターがなくて、若い女性は本当にリスクが上がってこないのよ。」
「それなら、薬とかのまなくていいですか?」
「うん、僕は必要ないと思う。また来年の数字を見て考えましょう。」
LDLコレステロールは狭心症や心筋梗塞など、重大な病気のリスクになることはよく知られています。ただし、コレステロールの数値だけで考えると、あまり必要ではない薬をのんでもらうことになってしまうので、注意が必要と考えています。
私もLDLコレステロールが200を越えてくるような方や、心臓病の家族歴がある方にはまた違った治療法を選択することがありますが、そのあたりは患者さんと良く相談して決めたいと思っています。