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不完全右脚ブロックと言われました


16歳男子、高校生1年生の健康診断の結果で不完全右脚ブロックと言われたようです。この季節、このような高校生が健診結果を持ってやってきます。
「そうだね、確かに心電図も不完全右脚ブロックの状態になっているね。ところで、なにか思い当たることないかい?何となく調子が悪いとか。」
「はい、時々寝起きに胸が変な感じがすることがあって、すぐに良くなるんですけど。」
「そうか、それは不完全右脚ブロックと関係ないと思うよ。」
「そうですか。」
「不完全右脚ブロックっていうのは、心臓の中の電気の通り方が普通と少し違っているっていう事なのよ。心臓の中には3本の電気の通り道があって、そのうちの1本、右脚の電気の通る速度が少し遅いの。だから心電図が普通と違うんだよ。」
「そうなんですね。」
「うん、でも3本のうちの2本は全然大丈夫なので、基本は問題はないんです。でも、時々違う心臓の病気があってそれが右脚ブロックで分かることがあるから、そこだけチェックしておこう。」
「はいわかりました。」
彼の場合も心臓の他の病気はなく、全く心配せずに学校生活を送ってもらうことができるという評価でした。野球部で頑張るとのことでした。
心電図はとても有用な検査ですが、心電図で異常が出ても必ずしも重大な病気につながらないことも多く、その辺りについては専門医にコンサルトする必要があります。