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全力で忘れなきゃいけないと思うんだ


今日はイクちゃんがきてくれました。イクちゃんは80代女性で長く通ってきてくれています。私を推してくれていて、いつも褒めてくれるので診療が楽しみです。
今日はスーパーで出会った人が、偶然私のところに通ってきてくれている人みたいで二人で話が盛り上がったということを話してくれました。そして、
「先生はさ、何聞いても嫌な顔しないし、だいたい嫌味なこととか言わないでしょ。」
「そうかもね。」
「そうよ、いろんなお医者さんいるのよ。」
「うん、そうみたい、そんな話も聞くからね。」
「でしょ。」
「あのさ、みんなイクちゃんみたいな患者さんだったらいいんだけど、本当に色々な患者さんがいるのよ。合わない人、嫌な人もいるのよ。」
「そうなの?先生にもそんな人いるの?」
「うんそう。でも、いるんだけど全体からするとほんのちょっとなのよ。でもさ、そういう人って印象が強いんだ。」
「だよね。」
「だからさ、そういう人のことは全力で忘れなきゃいけないと思うんだ。そうじゃないと、結局他の人に影響が出ちゃうと思ってるんだよね。いや、当然うまくいかなかった人のことは忘れちゃいけないけどさ。」
「そういうものなのかねぇ。そう言えば孫も対応する人のことでプリプリ怒って帰ってくることがあって、あんた人間修行が足りないって言ってるのよ。」
「そうじゃないと思うよ、お孫さんにも全力で忘れる努力をしなさいって言ってあげてね。」
「うん、わかった。」
私の経験上ですが、ほとんどの患者さんとはコミュニケーションの問題は発生しないです。ただ、ごく僅かに全くどうしようもない人もいて、その人の事をなんとかしようとすると、うまくいっている大多数の人に対しての対応が損なわれてしまうと感じています。自分や自分たちの組織を守るために、そのような人のことは全力で忘れる努力が必要だと思います。
うまくいかなかった事に対して最大限努力するのはプロとして当たり前です。しかしうまくいかない原因によっては忘れることが最も大切な場合もあると思っています。