70代女性、いつもは便秘の薬を処方しています。
顔を見ると左目の横に切り傷があります。少し深いようです。
「どうしたのですか?」
「気を失って倒れてしまいました。内出血で結構色がひどいです。」
「それはいけないですね。失神を予防しないといけないですね。」
「予防できるんですか?」
「それを考えてみましょうね。」
お話を聞くと、失神発作は3回目で、いずれも腹痛や下痢とからんでいるようでした。
「私たちの身体はあんまりお腹が痛いと、血圧が下がって失神してしまう仕組みになっているんですよ。なので、そんな時に起こる失神は大きな病気と考える必要は無いんです。」
「そうなんですか。」
「そんな時は急に血圧が下がって脳に行く血液が少なくなって気を失うパターンなので、あまりお腹が痛かったり、変だなと思ったときには、急に立ち上がらないようにしましょう。立ち上がるともっと血圧が下がって失神しやすくなります。」
「なるほど。」
「トイレの中ですが、横になっているとすぐに血圧が戻ってくるのでそれから立ち上がるといいと思います。」
「わかりました。気を付けるだけで予防できるかも知れませんね。」
失神発作にはいろいろな原因がありますが、トイレ回りでの失神はあまり心配のいらないことが多いです。ただ失神した時に大きな怪我に繋がってしまうことがるので、なるべく予防するようにしましょう。
トイレ回り、ベッドから立ち上がる時、お風呂から上がる時の失神には、ある程度決まったパターンや予兆があることも多いです。今回のアドバイスのように工夫して予防するようにいたしましょう。
ポイントは急に動かないこと、心臓と頭の位置をなるべく同じにすることになると思います。
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