80代女性、時々喘息の吸入薬を処方しています。今日は随分と呼吸が辛いようです。
「吸入の薬なくなったのかい。辛いでしょ。」
「風邪だと思ってたの。苦しくて。」
「あのね、今の状態は喘息は悪くなっている状態。言ってみればプールで溺れかけている状態なのよ。」
「そうなんですか。」
「いつもさ、少し吸入をするとよくなるでしょ。それは浮き輪につかまっている状態なのよ。」
「はい。」
「でもさ、浮き輪はいつかしぼんじゃうのよ。そうするとまた苦しくなるよ。」
「そうですよね。」
「吸入は、症状がなくなってもしばらく続けましょう。そうしたらプールから上がっている状態になるから、もう風邪をひいても大丈夫になると思います。」
「わかりました。もう今回は懲りました。」
喘息の吸入治療はとても効果があるのですが、症状が無くなってすぐに吸入を中断。また悪化する方がかなりいます。症状がよくなっても、しばらくはしっかり吸入を続けて気道をきれいにしておけば、ひどい発作の可能性はかなり低くなると思います。また、また改善したときも、少し吸入薬を残しておいた方が安心かもしれませんね。
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