20代女性、健康診断で貧血を指摘されて来院です。実は数年前にも同じ事があって、鉄欠乏性貧血の診断で治療をしたことがありました。
「どうしても若い女性は貧血になりやすいんだよね。今回も鉄剤で治療しようか。」
「はい、お願いします。」
しばらくして、患者さんが戻ってきました。
「先生、私この薬のめないみたいです。」
「どうして?」
「私、実は治療している病気があって、その薬が鉄剤はだめって言われたことがあります。」
調べてみると、抗生物質がどうも鉄の吸収を抑えるみたいです。
「じゃあ、どうして抗生物質をのんでるの?」
「ニキビのためです。」
「20代の若い女性だもんな、ニキビの治療も大事だよ。じゃあどうしようか。」
鉄剤の内服が出来ない場合、注射の治療に切り替えることもありますが、そのことを話そうと思ったとき、
「先生、鉄の薬を朝夕にして、ニキビの薬は昼にのんでみてはどうですか?」
「おお上手く行くかもね、それじゃそうしてみよう。」
窮すれば通ず。やっぱり真剣に考える人に良いアイディアが降ってくるんですね。
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