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それって副作用じゃないんじゃないの?


先日いらした患者さん。1年前に高血圧で初診した方。当時は自宅の血圧チェックもしていて、平均の血圧が150を超えていたので、内服薬を2週間出したが受診せず、1年ぶりの受診となりました。
血圧を測ると160/90mmHgで、最近のご自宅でもそうであったとのこと。
どうして薬やめちゃったのと聞くと、「薬局でもらう薬の副作用を見ると、立ちくらみがあるとか気を失うとか書いてあって、自動車の運転も気をつけなくちゃいけなくて、怖くなった。」
とのこと。
それはそうだよね、血圧が治療対象であっても自覚症状はない事が多く、その為にそんな恐ろしいことが起こる薬なんかのみたくない気持ちは良くわかります。
血圧の注意書きにはもれなく血圧が下がりすぎた時に起こる立ちくらみなどのことが書いてあります。でもそれって「副作用」って考えるべきなのでしょうか。薬効が強く出過ぎることも、まるで副作用のように注意書きに入れないといけないのかな。
そもそも、血圧が下がらない血圧の薬は使い物にならないので、薬の弊害を恐れすぎるあまり、そもそも治療すべき血圧を放置してしまった今日いらした患者さんのような事例が起こることには目をつぶっている事になってしまっていると思います。
「薬の効き目が強く出過ぎた場合には立ちくらみなどの影響が出るので、薬の減量が必要になります。その場合には医師と相談してください。」くらいの柔らかめの表現にならないのでしょうか。