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血圧の数字がいつも違います


80代男性、心房細動と高血圧で4年前から治療しています。いつもお元気で、来月から九州に行かれるとのことでした。
治療の終わりに、
「それでは、何か聞きたいことはないですか?」
「血圧の値が測るたびに違うんです。朝は高めで、昼からは低めになります。」
とっても良い質問だと思います。
「そうですね、そもそも血圧は血液が血管を推す力なので、結局は心臓がどれくらい力をいれて血液を送るかで決まるんですね。」
「そうなんですね。」
「なので、血液がそれほど必要ない寝ている間は低いんですよ。」
「なるほど。」
「でも、日中動いている時には上がるし、嫌なことがあったりしてもやっぱり上がるんですね。」
「そうですね。」
「それに、私たちの体は朝起きた瞬間にスイッチが入るので、その時には血圧が急に上がります。モーニングサージとか名前がついているのですが、そんな時によくないことも起こりやすいので、その血圧があまり上がらないようにするのは大切なんです。」
「そうなんですね。」
「それと、血圧の治療をしていると、薬の効き目が出やすい時間に下がりやすくなるので、その影響も大きく出てくると思います。」
「はい。」
「ともかく、血圧が高いのは、血管に余計な負荷がかかって、血管の寿命が下がる、健康寿命が損なわれるので、そこはしっかり見ておかないといけないですね。」
私たちの体は、機械ではないので、周囲の状況や感情によって左右されます。血圧も同じで大きく変動します。
私は、厚生労働省が実施している健康日本21でも強調されていますが、日本人の死因にいたる原因の2位である血圧を適正にコントロールすることはとても大切だと思っています(ちなみに1位は喫煙です)。