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トラウマになっているんだと思うよ


以前お伝えした40代男性の急性心筋梗塞の患者さん、治療先の病院から、症状が落ち着いたからとのことで、転院となりました。現在のところ大きな症状もなく、禁煙も続いているようでちょっと安心です。
いろいろ話を聞いて、いくつかの心配な点について「基本は大丈夫だよ」との意見をお伝えしました。
「でも、心筋梗塞になって、体調がガラッと変わってしまった気がするんです。今まで感じたことのない症状も出てくるし。」
「そうなんだね。心筋梗塞の場合はどれだけ心臓の力が残っているかで大きく症状が違うんだ。あなたの場合には、本当に小さな範囲しか梗塞にならなかったから、そこはないと思うよ。」
「そうなんですね。」
「あとは、薬を飲み始めたわけでしょ?なので、その影響は少しあるかな。」
「なるほど。」
「特にアスピリンは、胃にはマイナスの効果があるのよう。でも、心臓の血管を治療したから、それは今のところなんとか我慢しながら、薬で胃の障害を起こりづらくして、続ける必要があるのよ。」
「そうなんですね。」
「きっと、大病をして本当にびっくりしたんだと思う。」
「はいそうでした。そんなに悪いんですかって聞いたことは覚えています。」
「それがかなりのトラウマになっているんだと思うよ。なので、自分がもう大丈夫なんだって、本当に腑に落ちるまでは少し時間がかかるんじゃないかな。」
「そうなんですか、そういえば一月前より随分と落ち着いてきていると思います。」
「よかったね、若くて心筋梗塞になった患者さんを何人も見ているけど、みんな元気だよ。みんなちゃんと禁煙しているから、そこは守ってね。」
「はいわかりました。」
急性心筋梗塞など、突然起こる重症な病気になると、だれもがパニックに陥ります。その時のことは、細かい記憶は飛んでいることが多いようです。
そんな大事件から立ち直るには、やはり時間がかかるんだと思います。ともかく焦らないで、時間を味方にする考え方が大切だと思います。