60代女性、健康診断で高血圧を指摘されたの受診です。健康診断の時の血圧は198/106と随分と高いようです。
「結構血圧高いね。でも特に症状はないんでしょ?」
「はい、そうなんです。去年もやっぱり200くらいあって、高血圧って言われました。でも、自宅で測ると全然大丈夫なんです。」
自宅での血圧を見せていただくと、120-140/70-80程度で、正常血圧の範囲に入っているようです。
「そうか、それじゃあ白衣高血圧っていって、健康診断や病院で血圧を測ると高いけど、治療の必要がないことになるかもね。まず、血圧を測ってみましょう。」
「はい、よろしくお願いします。」
「ん!?210/70もあるわ、随分と高いね。これならすぐ治療した方がいいんだけど。」
「そうですよね、私も心配です。去年の健康診断でも高かったんです。」
「そうなんだ。じゃあ、自宅の血圧計は腕で測るタイプ?それとも手首かな。」
「腕で測るタイプです。」
「そうか、それじゃあ普通そんなに誤差は出ないんだよね。でも、自宅での血圧と大きく違うから、うちの貸出用の血圧計をお貸しするから、それと今使っている血圧計の誤差があるか調べてみようか。」
「なるほど、わかりました。」
自宅と医療機関での血圧が異なる時には、原則自宅での血圧をもとに治療することになっています。通常は医療機関での血圧が少しは高くなるのですが、このかたのように大きく異なる場合もあります。
そんな場合には、まずは測定誤差の可能性を潰しておくのが大切だと思っています。まずは数字の正確性をお互いに確認してから、実際の治療を組み立てるようにしています。
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