60代女性 高血圧で2回目の受診です。前回は自宅の血圧がわからなかったので、まず二週間測定してきてもらいました。
「そうだね、これをみると上の血圧が160を越えているし、治療の必要がありそうだね。」
「はい、そう思いました。」
「あとさ、前回採血してもらっていて、心配していた腎臓の機能は全然問題ないんだよ。腎臓はあと55年以上は使えそうだよ。」
「そうなんですか、とっても安心しました。」
「じゃあ、薬を考えようと思うんだけど、こればっかりはどんな薬が体に合うのか、のんでもらわないとわからないんだよね。」
「はい、わかりました。」
「でもさ、絶対にあなたに合う薬はあるので、それは心配しないでください。」
「はい。」
「じゃあまず、塩からいものは好きなの?」
「はい!!大好きです。」
元気良い大変立派な返事でした。多分、かなり濃いよりの味付けなんだと思いました。
「そうなのね、本当は塩からいものは血圧には良くないんだけど、すぐに高血圧学会が言っているように1日6gにしろっていっても難しいと思うので、体の中から塩分を出してくれる薬を使ってみよう。」
「はい、お願いします。」
高血圧治療の基本は塩分カットであることは異論がないところかと思いますが、日本人の普通の生活をしていて、高血圧学会が推奨する1日6g以内にするのはなかなか困難だと思います。
体の中からナトリウムを排泄してくれる降圧利尿薬は、日本ではなぜかあまり処方されない薬なのですが(欧米では患者の40%以上に処方されていますが、日本では10%程度)、私は日本人の食習慣には本当にピッタリな薬だと思っています。 あとね、随分と安価な薬なんですよ、その点でもおすすめです。
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